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Mike Shiraishi 

 

 

ラスベガスでショッピング歩き

 ザ・ストリップの南の外れにある「ベルツ・ファクトリー・アウトレット」へ出かけたとき、僕はこのモールが選んでいるテナントの選定眼に舌を巻いた。いわゆる欧州の有名ブランドの、アメリカ向け商品の売れ残りをかき集めたようなテナントには目もくれず、きちんと米国内の秀逸ブランドを完全フォローしているのだ。それも著名デパート・ブランドではなく独自路線を歩む良品ブランドばかりを押さえている。
 「ベルツは、3年ほど前にオープンしたショッピング・モールなんです。」案内してくれたY氏が言った。横にドワーッと長いアウトレット・モールである。
 このモールで一番の見どころは、やっぱりサクス・フィフス・アベニューのアウトレットとナイキ、リーバイスだろう。特に前者の衣料関係はサイズも豊富で、かなり面白い。
DKNYやベルサス、カルバン・クラインなどのビックネームも押さえていて、非常に秀逸である。モールの中を歩いていると、エスプリやIzod、ノーチカなど良い製品を作りつづけているブランドが幾つも有った。
 「ここへ来ると、食器類・家庭用品類が良いと皆さん言いますね」とY氏。
 確かに、ロイヤル・ダルトンやウェッジ・ウッド、ノリタケやレノックスなんかが出店していて、こちらのほうも面白い。
 「今、アウトレット・モールは全米規模のブームだからね。半端なテナント選定じゃ、顧客のほうが納得しないんだよ。ユーザーの目も随分と肥えてきているからね。」
 「もうひとつ面白いアウトレット・モールがあるんです。市内じゃないんですけどね。
ルート15を40分位カルフォルニア州に向かって走った州境にあるファッション・アウトレットというモールです。」
 Y氏の車で出かけてみた。
 確かに遠い。典型的な西海岸の荒涼地を突き抜けた道の向こうに、ようやくファション・アウトレットはあった。
 「ラスベガスからツアー・バスが出る予定ですから、そうなれば便利になるでしょう。きっと大盛況になりますよ。」とY氏が言う。
 モールに入って見ると。確かにこちらのほうが「ベルツ」よりビックネームが多い。 ちょいと見回しても、バナナ・リパブリック、カルバン・クライン、ダナ・キャラン、トミー・ヒルフィガー、ゲス、リーバイス、ラルフ・ローレン、ブルックス・ブラザースと、種類もサイズも豊富だ。交通の便が確保されれば此処は訪ねてみる価値は有るね。
 だいたい総じて西海岸のアウトレットはどこも貧相で、見るべきものはナイキやリーバイスといった西海岸拠点ブランドくらいなものしかないから、つまらない処ばかりと相場は決まっているんだけど、ここは及第点だと思う。
 「しかしこれだけ遠いと、ラスベガスから行って帰ってくるだけで3時間や4時間は潰れちまうね。短いツアーの中にここでのショッピングを折り込むとなると、けっこう負担だじゃないかな。買い物だけが目的でくるなら、それで良いかもしれないけれど、買い物も目的だという程度だと、ここへ来るだけ目的でそんなに時間を消費するのは、考えもンだと思う人が多いんじゃないかな。市内に、観光と一緒に<ながら>で出る面白いショッピング・ポイントというのはないの?」と僕が聞くと、Y氏がすらすらと幾つかのモ
ールの名前を挙げた。
 「もちろん、あります。ただ、アウトレットではありません。ファッションショー・モールやフォーラム・ショップ、DFSギャラリアあたりですね。すべてザ・ストリップに隣接してありますから、便利ですよ。」
 ファッションショー・モールは、ホテル・トレージャーアイランドのすぐ北側にある。
Neiman-Marcus,Saks-Fifth Ave.,Macy's,Bulocks,Robinson's-May という、アメリカの有名なデパートに四辺を囲まれた巨大なショッピング・センターである。
 「このデパートの選定、面白いね。ハイクラス狙いのニーマン・マーカス、サクスフィフスと庶民狙いのメーシーズ、ロビンソンズを上手く共存させている。幅広い客層に対応しようという意図だね。」
 モール内を歩いてみると、ルイ・ヴィトンやバリー、アン・テーラーなどと共に、若い世代を狙ったスオッチ、エクスプレス、アイシング、バナナリパブリックなども有って、より広い客層に対応しようとする姿勢が明快で、非常に好感を覚えた。
 それに比して、シザーズ・パレスの北側にあるフォーラム・ショップスは、より高級路線を打ち出している。グッチ、フェラガモ、ベルサーチ、アルマーニ、ラルフ・ローレン、クリスチャン・ディオール。ちょっと見回しても有名ブランドばかりだ。
 「ここは完全にインドアのショッピング・モールなんですが、天井に人造の青空があって、一日中夕暮れ時を演出しているんです。それと時折なんですが、夜にもなるんですよ。」

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