アメリカ自然史博物館 American
Museum of Natural History
Central Park West at 79th St.,212-769-5100
Open Monday to Friday,12:30-16:45;saturday,10:00-17:45;Sunday,12:00-17:45
アメリカが壮大に豊かだった頃の夢の跡のようなこの博物館は、その著名なことに反して実際に出かけてみると、設備の旧さに呆れ返るばかりの所だった。慢性的な資金不足と人手不足が、まるで展示してある恐竜の骨のように、この博物館自身を古代の遺物化させていたのだ。ところがここ数年、そのイメージを刷新すべく思い切ったハイテクの導入が行われて、館内の雰囲気は驚くほど新しく蘇った。もちろんエークレーの手による剥製を真ん中に据えたジオラマ方式の展示は相変わらずだし、巨大なシロナガス・クジラも時間が止まったように空を飛んでいるが。
しばらく閉鎖されていた最大目玉である4階の恐竜コーナーも、新しく整備されお目見えたしたので、まずはこちらから見学されることをお薦めする。
この博物館が創設された19世紀というのは恐竜発見の時代でもあった。太古の大地を闊歩したという巨大な爬虫類の発見に人々が夢中になった時代なのだ。恐竜の化石を集めた世界一のコレクションを持つ博物館をアメリカに作ろう、という計画のために鋼鉄王カーネギーや金融王P・モーガンらが中心になって膨大な資金を投入して収集がおこなわれたのが、ここの恐竜コーナーである。ティラノザウルスやトリケラトプス、巨大なプロントザウルスなど、なかなか圧巻を極めるので必見だ。
一時間で館内を一周する無料のハイライト・ツアーが、一日5回くらい実施されているので、それに参加してみるのも良いかもしれない。ただし英語によるカイドだから、そのつもりで。
ところで。地下にハンバーガー・ショップに毛の生えたようなレストランが有るのだが、ここのポテトはご丁寧にも恐竜の形をしている。
アメリカ映画イメージ博物館 The
American Myseum of Moving Image
36-0135th Ave.at36th St.astria,718-784-0077
Open Tuesday to Friday,12:00-16:00;Sutaday and Sunday
till 18:00
Subway/
映画はハリウッドの専売特許のような気がするが、実はそうでもない。NYはアメリカにおける映画産業の発祥地であり、現在でも重要な生産地である。NYを拠点に仕事をしているスターも多い。マイケル・J・フォックスやマイケル・キートンなどが、その良い例だ。ウッディ・アレンは、この街にこだわりつづける映画監督だ。
アメリカ映画イメージ博物館は、パラマウント映画の制作スタジオだったところだ。1920年代より半世紀に渡って実際に使用されてきた設備である。現在、これを保存する目的で博物館として一般公開が行われている。
コレクションは、映画のみに留まらずアメリカ国内で制作された映像出版物全般に至る。TV、ビデオ、そのための録音物、スクリーン・テストの映像など、膨大な収集が行われている。映画・映像フアン必見の博物館だ。
アリス・オーティン・ハウス Alice
Austen House
2 Hylan Boulevard (at Bay St.)718-816-4506
Open Thouesday to Sunday,12:00-17:00
Bus/
スタッテン島のニューヨーク湾に面した小高い岡の上に建つ、物語にでも出てきそうな瀟洒な白い館が、アリス・オースティンの家である。よく晴れた午後に、その蔦の絡まるベランダに立つと、大型船が行き来するニューヨーク湾の向こうに、マンハッタンの摩天楼が陽炎のように揺らいで見える。おそらくNYで見られる最も美しい景色の一つだろうと僕は思う。
アリス・オースティンは深窓の令嬢だった。それも少し桁外れに活発なお嬢さまだった。彼女が当時最新技術だった写真というものに出会い、これに夢中になったのは、完全に「お嬢様のお遊び」だったのだ。そのお遊びが、結果として19世紀末から20世紀初頭のNYの貴重な記録写真を大量に残したのである。
一階の展示室に飾られた自分を撮った写真を見てみよう。利発でおきゃんなアリスの輝きが、時代を超えて見えてくるはずだ。
バッテリー・パーク Battery
Park
State St. & Battery Pl.
Subway/1,9 to South Ferry;4,5 to Bowlig Green;N,R to Whitehall
マンハッタンの最南端にあるこの公園は、エリス島に移民局が出来るまでの長い間、移民希望者たちの一時居留地として使用されていた。観光客には、整備されカモメたちが飛び交う美しい公園にしか見えないところだが、実は赤貧と希望が交差する移民たちの血と涙がしみ込んだ場所なのである。中央にあるキャッスル・クリントンが当時移民局だったそうだ。今は、ここが自由の女神とエリス島行きフェリーのチケット売り場になっている。フェリー乗り場はすぐ近くだから、チケットを買ったら少し公園を歩いてみよう。 のんびりと路に沿って散策すると、沢山のメモリアルが建っているのに気が付くはずだ。第2次世界大戦時の戦没者記念碑。少し奥まったところにあるのが朝鮮戦争のメモリアル。公園から少し離れた所だが、ベトナム戦争の戦没者記念碑もある。今でも、この公園はアメリカ人にとって非常に重要な意味を持つ場所として機能しているのだ。
バッテリー・パーク・シティ Battery
Park City
West St.bet.Battery Park Pl. & Chambers St.
Subway/1,9,N,R, to Cortlandt St.;A,C,E to Chambers St.;2,3
to Park Pl.
ワールド・トレード・センターを建造した残土がこの地帯を生んだ。繋ぎ廊下で、そのままワールド・トレード・センターから歩いて行けるから、ぜひとも訪ねてみるとよい。
中央ホールでは、週末にしばしば子供たちを対象にした物語の朗読が開かれているし、ヨットハーバーに出ると、手の届きそうな所にエリス島と自由の女神が見える。
レストランなども、ワールド・トレード・センターの地下よりはもう少し程度の高いところが出店しているので、昼食はこちらのほうへ回ったほうが賢明かもしれない。
まだまだ開発が続けられている地帯なので、必ず何処かで工事が行われているが、品の良さと感性の美しさは何となくNYらしからぬ町である。
ブロンクス
Bronx
Subway/1,2,5,6,9,C,D to Bronx Borough
マンハッタンの北、ハーレム・リバーを渡ると、そこがブロンクスである。河を越えてしばらくすると地下鉄は地上を走り始める。窓の外を観てみよう。低いビルが面々と続く街並みが見えるはずだ。どれもが黒く煤けて、半分崩れかかって落書きだらけ。地下鉄C・Dが走るブロンクスの中央通りグランド・コンコースでさえ、路に沿って建ち並ぶビルは崩壊寸前の廃屋ばかりである。
本来は19世紀末にマンハッタン郊外の閑静な住宅地として都市開発が行われた地帯だったのだが、今はかなり北のほうまで行かなけれ治安の維持は成されていない。荒さみきった街だ。
特にサウス・ブロンクスは相変わらずの犯罪多発地帯である。TVのニュースが凶悪な犯罪を報じれば、その舞台は大抵此処だ。浮かれた観光気分でうろつく街ではない。ブロンクス動物園に行く途中で、地下鉄の車上から覗き観るだけで充分。
ブロンクス動物園 Bronx
Zoo
Fordham Road and Bronx River Parkway,718-367-1010
Subway/2,5 to East Tremint Ave. Walk several north;2 to
Pelham Parkway and walk
several brocks west,
いかにもアメリカらしい巨大な動物園である。決して一日で制覇しようなどと野望を持ってはいけない。結局は「私は何しに来たんだ?」状態で終わってしまう。必ずテーマを持って探索しよう。子連れならば、周回バスがあるのでそれを利用する手が一番お薦めである。おそらく世界一の規模を持つ、マニアには堪らない聖域である。
入場ゲートのところにあるパンフレットによると園内の総面積は252エーカー。飼育されている動物は700種類3600頭以上だそうだ。しかし、これがどんなに凄いことなのかは良く分からない。
隣接してニューヨーク植物園もあるが、こちらも250エーカーという巨大な所だから同時に二つ見て回るのは、ちとしんどい。しかしこちらも北米の典型的原生林が完全に保存されていたり、ハーブ・ガーデンがあったりして、子連れには絶好の行楽ポイントである。
ブルックリン
Brooklyn
Subway/2,3,4,5,A,B,C,D,F,J,M,N,Q,R,Z to Brookly Borough
ブルックリンっ子の気質は、横浜のそれによく似ている。「東京なんて、田舎もンの集まりよ。」ってヤツ。1898年にNY市へ編入されるまで、ブルックリンはひとつの独立した市だった。17世紀にオランダ人がこの地へ入植して以来、マンハッタンに振り回されず独自の文化を持ち、独自の歴史を歩んで来た街だったのだ。旧き良きブルックリンを語る沢山の書籍が刊行されているので、是非本屋さんで見てみよう。なるほど、東京と横浜の位置関係に酷似していると納得されるはずだ。
場所さえきちんと選べばブルックリンは、マンハッタン近郊で最も至便且つ落ちついたベットタウンである。もちろんイースト・ニューヨークやベドフオード・スチューブザントのようなブロンクス顔負けのMD地帯もある。これら危険なカラードのゲットーは、クイーンズと接するように細く長く根深く繋がっている。こうした地帯を除けば、ブルックリンは豊かな緑が美しい素晴らしいベットダウンなのだ。何度か足を運ぶうちに、貴方もブルックリンが好きになるはずだ。
ブルックリン・ハイツ Brooklyn
Hights
Subway/2,3 to Clark St.;B,D,Q to Jay St.Borough Hall;M,N,R
to Court St.
マンハッタンに隣接するブルックリン・ハイツは昔から瀟洒な住宅地帯だった。地下鉄に乗ってイースト・リバーを越え、最初の駅に降りると街の雰囲気がマンハッタンと全然違うことに驚かれるはずだ。特に2,3のクラーク・ストリート、M,N,Rのコート・ストリート辺りがお薦め。旧くても決して煤けて汚れていないブラウン・コートのアパートが、豊かな並木路に沿って美しく建っている。ここは、マンハッタンを観光している時、常に背中に感じていた、あの「危険感」が全く無い街なのだ。
西に向かって歩いていくとエクスプロナードにぶつかる。イーストリバーに面して作られている長細い散歩道である。ここの眺めは、エンパイア・ステート・ビルの屋上と共に、NYでナンバー1&2なので、絶対に観るべきポイントだ。
ブルックリン・ブリッジ Brooklyn
Bridge
Spanning The East River from City Hall Park to Brooklyn's
Cadman Plaza West
Subway/4,5,6 to Brooklyn Bridge-City Hall;J,M,Z to Chambers
St.
ローブリングの「スチールの紐を撚って鋼鉄のロープを作る」というアイデアがこの橋を可能にした。19世紀に建造された世界最大級の吊り橋である。橋桁の近くによって、その石組みを見ると、なるほど前世紀に作られたものだなと納得するに違いない。まったくコストパーフォマンスなんぞというものを考えていない、丈夫で頑丈な造りなのだ。まるでワグナーの歌劇を見るような「壮大な・巨大なるもの」に憧れた、いかにも19世紀らしい建造物である。
暖かい日ならば、是非とも歩いてこの橋を渡ってみることをお薦めする。木製の学校の体育館のような歩道と、縦横に張りめぐらされたスチール・ロープの向こうに見えるマンハッタンの姿は、まさに感動ものである。ニューヨーカーはこの橋をスチール・ハープと呼ぶが、言い得て妙な仇名だと思う。
ローブリングはこの橋に猛烈に執着し、親子二代かけて建造している。しかし工事半ばにして父が亡くなり、その子供も架橋工事中に潜水病で倒れてしまった。半身不随になったローブリングJr.
は夫人に支えられながら尚も陣頭指揮を取り、この橋を完成させたという。全身全霊を賭けた男たちのドラマがこの橋を生み出したのだ。
ブルックリン美術館 Broocklyn
Museum
200Eastern Pkwy.,718-638-5000
Open Wednesday to Sunday,10:00-17:00
Subwau/2,3,4 to Eastern Pkway.
メトロポリタン美術館にタメ張って素晴らしいコレクションを保持する同館だが、観光客の姿は意外に少ない。しかしここのエジプト・コレクションは、おそらく世界一なのだ。何故デンドウルの神殿が此処に運ばれなかったのか不思議になるくらい、地中海周辺とナイル川流域の古代文明について、膨大な量と質を誇る美術館である。
他にもアメリカ先住民についてのコレクション、アジア美術のコレクション、初期キリスト教文化の文献類など、興味深いものが多い。
特に、此処で出会う浮世絵の膨大なコレクションには、きっと足元を掬われたような強烈なカルチャー・ショックを衝けるにちがいない。NYでは美術館・博物館巡りをしようと思っている貴方。ブルックリン美術館をリストから落としてはいけませんゾ。
美術館に隣接するペロスペクト・パークは、セントラル・パークを作ったオームステツドが手掛けた美しい公園である。こちらも是非、散策しよう。
カーネギー・ホール Carnegie
Hall
154th W.57th St.(at 7th Ave.)212-247-7800
Subway/Q,N,R to 57th St.;B,D,E to 7th Ave.
「演歌の殿堂・カーネギー・ホール」などと悪口を言ってはいけない。1891年に大改装されたおかげでホール内は意外なほど整備されており、ボロさはまったくを感じさせない豪華なホールだ。その重厚な雰囲気はゴシックと言っても良いほどで、一見の価値は有る。クラッシックのコンサートが多く開かれているので、正装して音楽会に参加してみるのも悪くないだろう。スケジュールは「ニューヨーク・マガジン」などの雑誌を見ると良い。
ホール入口奥に、ここへ出演したことのある有名人の記念品・モニュメントをコレクションしたコーナーがあるので寄ってみよう。(五木ひろしのものは無い)バックステージ・ツアーも定期的に催行されており、これに参加すると成程ブロードウェイの舞台裏を見たような不思議な感動がある。
聖ジョン大聖堂 Cathedral
of St.John the Divine
Amsterdam Ave.(at W.112nd St.)212-316-7540
Subway/1,9 to 110th St-Cathedral Parkway
着工100余年、まだ70%くらいしか出来上がっていないという、壮大な構想のもとに建築が続く英国国教会派の大聖堂である。毎日何処かで槌の音が鳴り響いているから、邪魔にならない程度でソレを見物しに行こう。中世ヨーロッパの教会を建設したのと同じ工法で施工されているそうで、まったくの手作業によって石を削り、装飾し、組み上げていくという気の遠くなるような仕事が、急がず焦らずジックリと続けられている。完成時には世界最大級を誇る教会になるそうだ。コロンビア大学も近く、落ちついた環境に有るし、教会は何処でも誰でも自由に立ち寄れる場所なので、ぜひ出かけてみると良い。
もちろん既に教会としての機能は動いており、さまざまな宗教行事が日々行われている。コンサートなどの活動にも熱心なので、もしタイミングが合えば是非参加されてみると良い。このゴシックの巨魁の中で芳醇な音楽の香りに酩酊してみよう。
§1995-2006 by Mike Shiraishi.
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